家計は生活状態に密接に関係する基本的指標です。また何に支出をしているかで生活の志向をうかがうこともできます。
ここでは全国消費実態調査(2019年は「全国家計構造調査」)の、世帯員が2人以上の勤労者世帯に関するデータを用いて、電子データが公開されている1984年から2014年までの5年毎の家計指標の推移を、年齢階層によってグラフ化しました。
全国消費実態調査は1959年から5年毎に実施されてきました。サンプル数は、2014年調査の「標本設計」によると、2人以上の世帯が51,656世帯、単身世帯調査のサンプル数は4,696世帯でした。
なおwebサイトの2014年の集計では、2人以上の世帯数が54,208世帯、そのうち勤労者世帯は28,515世帯でした。「標本設計」の世帯数と食い違っていることはやや気になっています。さらに、同調査の回答者は、調査票に指定された分類で支出金額を記入するなど、家計管理をきちんと行っていることが必要です。回答できる世帯が限られている可能性があります。
支出と収入の分類は下表の通りです。
受取 | 実収入 | 勤め先収入、事業・内職収入、特別収入など | |
実収入以外の受取(繰入金を除く) | 預貯金引出、保険金、有価証券売却、借入金など | ||
繰入金 | |||
支払 | 実支出 | 消費支出 | 食料、住居、光熱・水道、家具・家事用品、被服及び履物、保健医療、交通・通信(移動電話通信料などを含む)、教育、教養・娯楽、など |
非消費支出 | 直接税(勤労所得税や個人住民税など)、社会保険料(公的年金保険料、健康保険料、介護保険料など)など | ||
実支出以外の支払(繰越金を除く) | 預貯金、保険料、有価証券購入、借金返済、財産購入など | ||
繰越金 |
貯蓄と負債の分類は下表の通りです。
貯蓄 | 通貨制預貯金 | 郵便貯金銀行、普通銀行等 |
定期性預貯金 | 郵便貯金銀行、普通銀行等 | |
生命保険など | 生命保険、損害保険、簡易保険 | |
有価証券 | 株式・株式投資信託、債権。公社債投資信託、貸付信託・金銭信託 | |
その他(社内預金など) | ||
負債 | 住宅・土地のための負債 | |
住宅・土地以外の負債 | ||
月賦・年賦 |
支出品目の分類は下表の通りです。
項 目 | 内容例示(一部) | |
消費支出 | 食料 | 穀類、魚介類、肉類、乳卵類、野菜・海藻、果物、油脂・調味料、菓子類、調理食品、飲料、酒類、外食(宅配弁当も) |
住居 | 家賃地代、設備修繕・維持 | |
光熱・水道ど | 電気代、ガス代、他の光熱、上下水道料 | |
家具・家事用品 | 家庭用耐久財(炊事用器具・電気冷蔵庫・洗濯機・エアコン・タンス・食卓セットなども)、室内装備・装飾品(照明器具・カーテンなども)、寝具類、家事雑貨(食卓用品・台所用品・掃除用品・家庭用工具・懐中電灯・消化器なども)、家事用消耗品(トイレットペーパー・洗剤・ポリ袋なども)、家事サービス | |
被服及び履物 | 和服、洋服、シャツ・セーター類、下着類、生地・糸類、他の被服、履物類、被服関連サービス(洗濯代・被服賃借料・仕立代など) | |
保健医療 | 医薬品、健康保持用摂取品、保健医療用品・器具(紙おむつ・眼鏡・コンタクトレンズなども)、保健医療サービス | |
交通・通信 | 交通(運賃・定期代・有料道路料など)、自動車等関係費(自動車や自転車購入・ガソリン・自動車整備・駐車料・保険料なども)、通信 | |
教育 | 授業料等、教科書・学習参考教材、補習教育 | |
教養娯楽 | 教養娯楽用耐久財(テレビ・カメラ・PC・楽器・学習机なども)、教養娯楽用品(文房具・スポーツ用品・ゲーム機・ソフト・玩具・音楽映像メディア・園芸関係・ペットフード・電池なども)、書籍・他の印刷物、教養娯楽サービス(宿泊料・パック旅行代・月謝・受信料・観覧料・施設利用料・会費・インターネット接続料なども) | |
その他の消費支出 | 諸雑費(理美容・傘・かばん・腕時計・冠婚葬祭・介護関係費なども)、こづかい(使途不明)、交際費、仕送り金 |