作成者について

名 前   多治見 左近
研究分野  住宅需給論・生活科学
   
 

あとがき

 この「現代日本生活史」の作成を行った直接的なきっかけは、かつて所属していた組織で、生活科学に関する研究会があったことです。しかし当時は私を含めて皆が忙しく、またそれぞれの専門分野の枠組みもあって、なかなか取り組むことができませんでした。
 私自身は、断片的なイメージはもっていたのですが、他のメンバーを巻き込むことにはためらいもあり、他の仕事もありました。その後数年間は思いついた材料を少しずつ書きとどめ、退職を前にしたころになって、漠然とですが形が見えてきて、まとめておこうと思うようになりました。

 このサイトの内容は、それなりに道筋をつけてまとめたつもりではあります。が、生活に関して、特定の専門分野ではなく、ある意味では素人の立場から、思いつくままに記述しているともいえます。個別にみれば、より深める必要があったり、違った角度からの論究が適切であるところもあると思います。それぞれの専門分野からみると、的外れであったり、既知の内容が多く含まれていると思います。
 さらに、生活に関連しそうな雑多な項目を一箇所にまとめるという作業は、専門の方々にしてみれば無用の作業、あるいは正統でないともみられかねないと思います。しかしそれは、生活という視点では避けて通れないものではないかとも思うのです。

 このサイトの作成にあたっては、自分が保有する資料の他、さまざまのWebサイトの情報を参照しました。かつて図書館に入り浸って資料を探し、手作業でデータを作成していたことを思うと隔世の感があります。民間企業や団体のサイトにも興味深い情報が満ちています。政府のサイトは、かつては欧米に大きく立ち遅れていたのですが、近年の充実は目を見張るものがあります。
 ただその一方で、長期間にわたる政府統計を整理しようとするとかなりの作業を要しました。そのなかで、遡り得る限りの統計情報をまとめた資料として「日本長期統計総覧」が日本統計協会から発刊されていて非常に重宝しました。この資料はある時期からは総務省のWebサイト上に公開されるようになりました。しかし2020年になるとそのサイトは国会図書館の検索サイトに移動され利用しにくくなるとともに、日本統計協会での会員利用対象になりました。

 またほかの政府統計も、かつては累年統計として整理、公表されていましたが、ある時期から整理されなくなっています。
 「ある時期」というのは2005年ごろです。「日本長期統計総覧」は1988年に初版が刊行され、2006年に新版が刊行されており、その後もWeb上では更新がされていたようですが、最近は更新されていません。

 社会や経済、生活を研究する上で統計などの資料が重要な役割をもつことは明らかです。しかし21世紀になったころから、日本では資料に対する位置づけが低くなる、あるいは一般の人が利用しにくくなってきているような気がします(思い過ごしであればよいのですが)。民間も含めたさまざまの情報を収集、整理してだれもが必要な情報を容易に入手できるようになれば、社会全体に非常に有益であると思います。 

 とはいえ統計や資料などの情報は多種多様で膨大な量です。一般の人や素人でなくとも、選択して理解することはきわめて困難と言わざるをえません。基本的な資料、統計、情報だけをまとめて、簡単に解説してあったり、関係する資料、統計を指摘してあるとわかりやすく、興味をもってもらえるのではないかと思います。



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